ヒヨル おおかみ少年たちの午後 忍者ブログ
女性向け11文章ブログ。無印初期メン多め。 はじめての方は「はじめまして」に目を通してください。
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case1.栗松鉄平の場合
影野さんは変わってる。
なんか家が貧乏?らしくて、スパイクなんかいっつもつま先がちょっと開いてかかとがかぱかぱしてるやつを履いてる。学ランも肩とかひじとかぽけっととかがてかてかになってるやつを着てるし、昼ごはんはいつもスーパーで投げ売りのパンとペットボトルのお茶だけだ。あんなながいからだがそんなもんでもつわけないので、部活中によくふらーとなってる。教科書もぼろいやつばっかりで、なんていうか、苦学生、って感じがする。でも別にわるいひとではないし、やかましく文句とかも言わないし(見た目はこわいしサッカーはあんまり上手じゃないけど)、おれは別に影野さんが嫌いじゃない。
ある日影野さんがすげーいいスパイクを持って部室に立ってたことがある。新しいやつでやんすか?と、気になって聞いてみると、影野さんははにかんだようにちょっとわらう。
「染岡がくれたんだ」

「サイズ間違って買ったからって。でもおれの足にぴったりなんだ」
??
意味がわからなくて聞き返すと、言葉通り染岡さんが影野さんにスパイクをプレゼントしたらしい。いやいやいやいや。それはちょっと。
「染岡はいっつもおれになにかくれるんだ」
!?
「染岡ってやさしいよね」
そんなことをはにかみながら影野さんは言うのでおれは申し訳ないけどドン引きした。ついでに染岡さんの姿まで脳裏をよぎる。あほなのかなんなのか全然このひと疑ってないけど、先輩、それは、いろいろやばいです!!

case2.宍戸佐吉の場合
土門さんはうざい。
アメリカ帰りだかなんだか知らないけど、なんかもう無駄に明るいし無駄に声でけーし無駄に朝からハイテンションだし無駄に英語とか使っちゃうしまたそれの発音が無駄に完璧。まじうざい。男女構わずセクハラ三昧だし、まじきもい。それなのにサッカーできちゃって、微妙にむかつく。まぁおれは普通にへらへらしながらいい後輩ーっぽく接してるけど、うざいもんはうざいのであだ名だってつける。ルー。由来はアレ。
「グッドモーニング!さっちゃん」
あーはいはい。おはざーす。
「なーに?朝から暗いよ?なんかいやなことでもあったの?」
いやまぁあんたと会ったからなんすけどね。
「今日は部活紅白戦だよね。おんなじチームになれたらいいよねぇ」
超どうでもいーっす。つか近い近い近い。肩を抱くな。きもい。
「じゃーおれじんちゃんにもハグしてこなきゃだから、先行くね。ハヴアナイスデイ」
とまじでおれに抱きついてひらひら手を振りながら土門さ、いやルーは行ってしまった。周りぽかーんとしてんじゃん。朝からテンション下げんなよほんと。ルーまじうざい。まじきもい。

case3.少林寺歩の場合
染岡さんはうっとうしい。
誰に対してでもわりとうっとうしいけど、特に影野先輩に対しては尋常じゃなくうっとうしい。昼ごはんとか、わざわざかなり多目に持っていって先輩にわけてあげたり、わざとサイズ違いのスパイクや学ランを買って先輩に押し付けたりしている。たちがわるいことに先輩の身につけるもののサイズとか、染岡さんは完璧に把握しててまたそれがキショいしうっとうしい。もうそれストーカーじゃね?って思うけど、当の先輩はなにも言わないし、だからたぶん周りもやんわり放置してる。染岡さんはそれだけじゃなくて、他にも先輩にいろいろものをあげたりしてるらしい。先輩は言っちゃわるいけどまじでばかだから、ただありがとうありがとうって受け取ってるけどそれやばいんじゃね、っておれは思う。
「おう、少林寺」
うわうぜえ。なんですか。
「おれ今日先生に呼ばれてるからさ、これ影野に持っていってやってくんね?」
弁当?と、なんか。中身はまぁ、またたぶん先輩が身につけるものだ。
「今日はあいつ屋上のとこの階段にいるから、頼んだ」
ってかなんでそういうの把握してんの!?このひとほんときもいんだけど!!とか思ってるうちに弁当の包みを持たされて、染岡さんにはルーがまとわりついていた。うん、まぁ、すっげどうでもいいけど死んでくんないかなあの二人。

case4.壁山塀五郎の場合
影野さんと染岡さんと土門さんは仲がいい。
仲がいいっていうか、影野さんに二人が一方的にまとわりついてる感じ。見てる分には仲がいいなぁなんてほほえましく思えるけど、一度ちょっと深く先輩たちを知ってしまうと、そんな感想がかすんでしまうくらいやばいんじゃないかなぁ、と思う。まず染岡さんがどう考えても影野さんのストーカー。しかも無自覚で犯罪すれすれっぽい。影野さんが家を出る時間まで把握してるから本物だ。もうなにを言っても無理っぽい。影野さんは影野さんでそれをおかしいこととも思ってないみたいで、ますますやばそう。むしろ自分をちゃんと見てもらえてるって喜んでる。影野さん、それはほんとにやばい。
染岡さんがストーカー行為に走るのは土門さん(宍戸や栗松がルーって呼んでる)が染岡さんを無駄にあおるからだ。土門さんも影野さんにちょっかい出して、影野さんはやっぱり全然いやがらない。そんで染岡さんはそれが気に入らない。だからますます影野さんにべったりする。三人はこんな感じでだめな感じにどんどん進んでいくけど、特にサッカー部のみんなはなにか言ったりしない。もう関わるのすらめんどくさいんだろう。おれだってめんどくさい。今日も英語混じりにしゃべってる土門さんを宍戸と栗松が小声でバカにしていて、少林寺は本気で不機嫌な顔をして着替えている。染岡さんは影野さんに張りつきっぱなしで土門さんもそこに混じる。
「ねぇねぇ、へえちゃん」
なに、音無。
「あの三人ってさぁ」
うん。
「ほんっと、だめ人間だよね!」
あーあー。言っちゃった。まぁでも、否定はしないかな。







おおかみ少年たちの午後
影野、染岡、土門。
リクエストありがとうございました!なんかオムニバスっぽく書きたかったような気がします。
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