ヒヨル あけましておめでとうございます 忍者ブログ
女性向け11文章ブログ。無印初期メン多め。 はじめての方は「はじめまして」に目を通してください。
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本年もよろしくお願いいたします。

まだまだ無印大好きですのでまだまだ書きたいことがたくさんあります。
最近ぴっしぶを始めました。ID:6468073 です。(こちらは他ジャンルばかりです)

それはそうとギャラクシーをクリアしました。ビッグバン。
えらくシステムが変わっていて苦労しましたが、なんとか初期12人は全員揃えました。
やっぱり画面に安心感があっていいですね。
きっといつまでも彼らが一番好きです。

あともうどえらい前なんですが、拍手でコメントくださっていた方、本当にありがとうございます。
宍戸とないる、なんか自分でもかわいくて好きです。スパークでよく2トップ組ませてたので、なんとなくあの2人がいると目が安心します。笑
三国さんと狩谷信介のお話もえらく楽しく書けましたので、食わず嫌いはダメだなと思っております。
たまごろうも好きなもので、ときどきみんなに語らせたりしています。
いいですよね、たまごろう。きっと雷門サッカー部を支えてくれたと思っています。

もしもまだ需要がありましたら、またリクエストなんかも受け付けてみたいと思ってます。
それでなくとも、今年も大好きな彼ら彼女らをいろいろと書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。



2014/1  まづ

※拍手変えました。以下前回の拍手文。




と  ぶ  こ  ど  も  た  ち


彼らが、とべたら


円堂守

別に悪いことばかりでもない。
遅刻しそうなときには部屋の窓から飛び出し、教室まで一直線。
ただ、それ以外にいいと思ったことはあまりない。飛べたところで腹は膨れないわけで。
しかも意思と関係なく浮かんでしまうこともある。(ただしそれは素質だという)
それでも空が近づくと地面が恋しくなる。ただ地面に立つとどうしようもなく空に焦がれる。
人間は難儀ないきものだ。持たないものばかりを持たないときに恋しがる。
飛ぶことがへたくそで、それに救われた。うまく飛べたなら、それでもまた救われたに違いない。
窓から飛び出したあの日、奪われたものを知った。人を棄てて解放を得たあの日。


少林寺歩

あの感触が好きになれないのであまり飛ばない。
重力から不意に解き放たれる、肌の裏を擦られるような無慈悲な自由。投げ出される身のあまりの儚さ。
一度飛ぶとどこまでも風に流されていける。髪の毛を本当の鳥のように羽ばたかせて。
空は無慈悲な自由だった。果てもなければ、奥もない。目印も、たどり着く場所も。
風に飛ばされて、抗うことを忘れる。空に抱かれて、牙が錆びる。
空までも闊歩しこの上なにを望もうかと思う。もちろん望むものなどなにもなかった。
飛び立つと、戻れなくなると知っている。
前世は穴熊かそこいらだったに違いない。飛び立って、戻れなくなった場所だ。


影野仁

飛べたところでくずはくずである。
飛べたところで、浮遊する影だった。むしろ嘲るような目と目と目。
ベランダからさかしまに落ちて落ち切れなかったときに、無駄なのだと悟った。
歩き回る場所が少し増え、静寂はより深くなり、風は冷たかった。空は遠かった。
遠ければ遠いほどよかったのだ。手が伸ばせる場所にゆけてしまうから。そして知ってしまうから。
空には神様も天国もなかった。ただただ深い深い孤独があるばかりだった。
融ける蝋に恍惚と、ギリシャのイカロスとて幸せだったのだ。
いつかの墜死を待つより他に道はないのだと悟った。


宍戸佐吉

高いところは好きではない。
それでも気を抜くともぎ離されて空に投げ飛ばされる。なんでもないときに。
どうとでもなれと抵抗をやめると飛べなくなった。そして気を抜くと飛ばされた。
地面から攫われるときにはいつも絶望的な気持ちで目を閉じる。
やがて必ず着地し、それと同時に次の飛行が秒読みでやってくるのを待つことは虚しかった。
のっぺりとした青が近づくと、いつでも死ぬのだと思う。この空に吸われて死ぬのだと。
そうやって諦めていたかったのだ。そうやって次のなにもかもを諦めていたかった。
いっそ首でも刎ねてほしいと思った。高いところは好きではない。無意味はそれ以上に。


木野秋

飛べなくなる日が来るから覚悟をしておけと言われてからこっち、それは一向に来る気配がない。
飛べなくなっても困りもしないから構わないのであって、そういう言われ方は好ましくなかった。
空など飛べても醜いだけだ。翼も持たないただの肉の塊が。
羨むこともしなくなった。羨望は毒だ。嫉妬も、しても詮ない後悔だって。
そうやって少しずつ飼いならしていく。ままならない自分。ままならない不安定な昨日の延長。
いずれ飛べなくなる日が来たらやめようと思っていることがたくさんある。
その日が来ない。いつまでも来ない。だからやめられない。ずるずると、昨日の延長。
月は寒く、冷たく、蒼かった。夜の空で血の一滴までも凍りつきたかった。


音無春奈

飛ぶことは気持ちのよいばかりではない。
たとえば風が強いとぐるぐる回されて気持ちが悪くなるし、下手をしたら遠くまで流される。
たとえば髪の毛に落ち葉やほこりがいっぱいに絡んでごわごわにもなる。
それでも飛ぶことは楽しかった。遠ざかる地面。それと同じように、遠ざかるように見える空。
そうやって地面と空のまん中に浮かんでいると、世界中から見放されたような気分になる。
ありとあらゆる場所から等分に離れた場所に、ぽつんと浮かんだ遺失物。
このまま忘れ去られても構わないと思う。そうしたら化石になってある日突然落ちてくるだろう。
その頃には悲しむひとなんて誰ひとりいないに違いない。それはとても幸せなことだ。


目金欠流

当たり前だと思っていたその日は当たり前のようにやってきて、風は手足になった。
足元に豆粒ほどの生命の流れるのも、頭上に燦燦と雄大な陽を仰ぐことも、当たり前だった。
世界とはいずれ彼に手なずけられるべきもので、望んだならば、そうなるしかないのだ。
空に舞い上がる絶対の自由。ひとが失った唯一のものを奪い返した、絶対の優越。
世界とはこうあるべきだった。地上を制したならば、空だって思いのままだ。
いつかこんな日が来ると思っていた。当たり前のように。そうあるべきだった。
空飛ぶ彼らは自由の旗を掲げるコンキスタドールだった。燦然と輝く一歩を、光のように放つ。
ひとが失った唯一のものを奪い返せるのはひとだけだ。わからないならば、飛ぶ必要はない。


栗松鉄平

その頃には誰もが空を飛べたのに、いつまでもその日は来なかった。
風に攫われるように空へ舞い上がる友人たちを見守ることにもすっかり慣れてしまった。悲しいことに。
飛べると楽しいと聞く。楽しくなんてないと聞く。怖いばかりだとも聞く。もっと別のことも、たくさん。
飛びたいと思ったことは一度もなかった。飛べるといいなと思ったことも。
地面が沈んで、誰もが空に舞い上がる中、街と一緒に死んでいくことしかできなかったとしても。
その頃には誰もが空を飛べたし、その頃には誰もが彼のことを忘れていた。
飛びたいと思ったことが一度でもあったとしても、飛べなかったに違いない。それでいいのだ、と思う。
飛ぶことは、失うことだ。誰に言われなくても知っていた。誰もが空に舞い上がっても。



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