ヒヨル でも次の日の朝はなんでもない顔をするんだからやめとけばいいのに 忍者ブログ
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宍戸の指が伸びて、びーと少林寺のみじかいまつ毛を引っぱった。うつらうつらとしていた少林寺は、それで一気に覚醒する。なに、きもいんだけど。周りからはいくつものひそやかな寝息がたちのぼる、深い夜の底、眠りの時間。ねむれねー。あゆむ、かまって。ねろ早く。少林寺は目をとじて宍戸に背を向けるが、痩せたてのひらが髪の毛をかきわけて背中を這う。あゆむ。ねーあゆむ。つかほんとうざいんですけど。寝間着のすそからそれが侵入してきそうだったので、とりあえず思いきり寝返りを打ってその手をつぶしてやった。あいて。宍戸が手を引く。少林寺は用意された布団にすっぽりくるまって、眉をしかめてささやく。みんなねてんだから早くねろし。だからねれねっつってんじゃん。おれ環境変わるとねれないのまじで。しらねーよおれ眠いんだけど。じゃー一緒にねよ。おれの布団おいで。やだよ絶対なんかするだろ。宍戸は笑顔で手を広げている。不気味だ。少林寺はハムみたいな格好のまま転がって、逆隣の栗松の布団の方に避難した。栗松の掛け布団はつつましくまるくふくらんで、規則正しいおだやかな寝息が聞こえる。
栗松のそばにぴったりと少林寺がくっつくと、宍戸がのっそりと自分の布団から這い出して、少林寺の布団を占拠してしまった。あーちょ。狭いスペースにす巻き状態ではさまれ、少林寺は宍戸を蹴る。かえれって。やーだ。あゆむが一緒にねてくれるまで帰らねーしねれねー。てめーモジャモジャ大概にしろよ。宍戸はくるくるっと少林寺の布団をはぎ取ってしまい、それを三人(栗松含む)の上からかぶせた。あゆむちょーいいにおいすんだけど。くえるの。くえるわけねーだろ。逃げ場を封じて宍戸がもうありとあらゆる場所をさわってくるので、少林寺は思いっきり股間を蹴りつけた、ら、寸前に膝でガードされた。うわうぜえ。いやいやまじしゃれにならねぇいたかったんすけど。ちんこ潰す気かよ。だまれモジャ。宍戸が反論しかけた言葉を切った。少林寺の背中で栗松が身じろぎする。んーとひくくうめき、またちいさな寝息を立てはじめるのを、ふたりは息を詰めて待った。あゆむが騒ぐと栗松起きちゃう。誰のせいだよ誰の。
つーかほんとねろ、と、少林寺は思いきり宍戸のひたいを突っ放した。そのすきに立ち上がると、元の宍戸の布団にすべり込み、その隣の壁山のそばに避難した。低反発枕も一緒に。壁山の寝返りに巻き込まれたら大惨事なので、ある程度の距離は保ってある。おやすみ、と一方的に宣言して、少林寺は低反発枕にあたまを預けた。もぐった布団がひやりとする。あゆむ。宍戸が呼ぶ。おれさーまじでおまえとひっついてねたいんだけど。あゆむ。少林寺は目をあけない。まぶたをあけるとたぶんもうずるずると言うとおりにしてしまうのは目に見えていた。宍戸はそういうとこがすこしこわい。あゆむ。あゆむ。呼びかけばかり耳に届くが、宍戸がそばに寄ってくる気配はない。はやくねなくては。明日も練習がある。少林寺はひたすら目をとじる。あゆむ。宍戸の声は延々と続いた。おれおまえのことすきなんだけど。あゆむ。
枕から宍戸のにおいがする。ねられない。








でも次の日の朝はなんでもない顔をするんだからやめとけばいいのに
宍戸と少林寺。
例によって矢印でも掛け算でもないふたり。
合宿です。正確な並びなんかしらん。
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