ヒヨル 忍者ブログ
女性向け11文章ブログ。無印初期メン多め。 はじめての方は「はじめまして」に目を通してください。
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だからそんな気にしてねぇって。と、受け取った月見そばをぐるぐるかき回しながら宍戸は言う。同じく天ぷらうどんを受け取って、店主の好みで適当にのせられた具を汁にぎゅうとしずめながら、あーはいはいと栗松はそれを流す。商店街のややさびれた一角にある、安くてうまいうどんとそばの店でふたり。どうにもあの店でラーメンを食べる気にはなれない最近だ。今注文の品を作りおえて、厨房の奥で新聞を読んでいるおやじのようには、店主と客、という単純な関係が、もうあの店にはないのだった。
いっこ食う?と、サービスなのかなんなのか、栗松の天ぷらうどんにふたつ並んで座っていたれんこんの揚げものを箸にはさんでさしだすと、おっさんきゅーと宍戸は素直にうつわを寄せてくる。素焼きのごつごつした深い宍戸の器と、つるりとした瀬戸物の、広く浅い栗松の器が並ぶ風景はどことなくおかしい。宍戸はわり箸をいつも口にくわえてぱきんとわる。その仕草がなんとなく大人びて見えて、栗松もそれをまねてみたのだがこれがうまくいかない。それをするにはくちびるからちょこんと出た前歯が、ややじゃまだ。
今日この店に宍戸を誘ったのは栗松で、それはあの千羽山中との試合の翌日だったから、さすがにあざとすぎたかと栗松は思う。勝てたのは素直にうれしいと思うが、あんなことになるとは思わなかったのだ。あんなことに。言いたかったことのだいたいは半田が言ってくれたけど、それよりもなおもやもやした気持ちが、ひとばんぐっすり眠った今日もまだ消えない。栗松のとなりでは、宍戸がほとんどなまの卵をといた汁にれんこんの揚げものをひたしてかじっている。みかづきの形にかじりとられたれんこんを見て、栗松も自分のれんこんに同じようにかぶりつく。
数学もうやった?まだ。俺明日提出なんだけど。げっまじで、俺んとこもじゃあもうすぐか。やってたら見せて。だからやってねって。全然?全然。じゃあショウリンに頼むかなー。つかお前は自分でやった方が絶対はやい。俺数学きらいだし。
ずるずると麺をすすりこみながら、言葉すくなに話をする。練習後はとにかく、腹がへって仕方がない。でも宍戸頭いいだろ。そう言うとかみ切れなかった麺がぼとりと器に沈んで汁がはねた。指先でほほについた汁をこすり落としながら、きたねーと宍戸がわらう。つかお前えびのしっぽ食わない派?はぁ?食うもんじゃねーよしっぽなんか。ばっかお前ここが一番うまいんだろ。突き出しのゆずポン味の湯豆腐の(とっくに食い終わった)皿のなかに浮かんだえび天のしっぽを見て、宍戸が栗松のこめかみを拳でぐりぐりとこする。
ごつごつした素焼きの器に引っかかった宍戸の指先があかい。箸を持つその指は、栗松のそれよりもすんなりとしてほそく長く、関節と関節のあいだがきゅっと締まって形がよい。みじかく切られた爪のあいだに、念入りな手洗いでも落としきれなかったグラウンドの土がわずかに残っていて、思わず見下ろした自分の手にもおなじものが残っていたので栗松はすこしだけ安心する。思い通りにプレイのできないもどかしさよりもっと違うものがあの場所にはあって、なのに誰もそのことには触れないように、見てみぬフリをするものだから。もの分かりのいいような芝居をして、勝てばそれでいいとか言って。くたくたで帰宅したその夜、シャワーにざぶざぶ打たれながら栗松はすこしないたのだった。
鬼道さんが入ってくれてよかったよ。宍戸は組んだ両手の上にあごを乗せて、あぶらとほこりのこびりついたはり紙のメニューをながめている。あれで鬼道さんのかわりに俺が出てたら、俺らこんなとこでめし食ってねーって。宍戸の手首には栗松とおなじミサンガが巻きついていて、それを少林寺も壁山もおなじように手首に巻いている。音無が内緒で四人にくれたものだ。意地はって負けてなくってか。俺がやだよ、そんなの。そんなことを言う宍戸の横顔が、箸を口にくわえてぱきんとわる仕草よりもずっと大人びていた。
でも。栗松はこちらも油でべたべたのカウンターの上で手をにぎって、言った。俺はお前と出たいよ。俺と宍戸と少林寺と壁山で、出たかったよ。ひひっと宍戸はわらった。さんきゅー。俺もお前らと出たかったわ。でももう終わったことだしぃめでたしめでたし。組んだ両手をぐうっと天井にのばした。おっちゃんお会計お願いします。その言葉に栗松はあわててカバンから財布を取り出す。百円玉を六枚と五十円玉を二枚カウンターに並べて、ごちそーさまっすと声をあわせる。
店を出たところでふたりの制服のポケットが同時にふるえた。壁山だ、と携帯を見ながら宍戸が言う。栗松の取り出した携帯には少林寺の名前が表示されている。ふたりは顔を見合わせて、同時に電話を取った。
もしもしー?あっ栗松いまどこにいるの?宍戸と一緒にめし食ってたよ。うわやっぱり?ほらー俺の言ったとおりじゃん。話しながら宍戸の様子を伺うと、あーいいっていいってと宍戸がわらっている。どうやら壁山と少林寺も、栗松とおなじようなことを考えていたらしい。つかとりあえずファミレス来いよなっと少林寺は言い放ってさっさと電話を切ってしまい、宍戸もまた携帯を閉じて、つーわけで今からファミレスに行くことになったけど、と栗松に言う。行くよな?あたりめーじゃん。腹は?関係ない。同じく。ひひひっとふたりで顔を見合わせてわらう。
気ーなんかつかってくれなくていいのになと宍戸がひとりごとのように言った。ちげーよと栗松は言う。俺らステキなサッカー部、ってことだよ。あーそれサイコーと、心のこもってない口調で宍戸が言うから、そのひざの後ろを思い切り蹴ってやった。地面にくずれ落ちる宍戸がついた手が、やはりすんなりとしていた。宍戸はいつも飄々とわらっている。心配なんてさせてくれない。うん。ひざを払って宍戸は立ち上がる。俺らステキなサッカー部、だな。
砂でよごれたその手を栗松はつかむ。その指が自分のそれとおなじくらいあたたかくて、やっぱりすこしなきたくなった。手首のミサンガがちらりとのぞいて、ああと栗松は胸にこみあげるものをそっと吐き出す。気なんかつかうかよ、つかってねーよ。かじられたれんこんみたいなみかづきが、ほのかに夜空をかすませている。望むことなどひとつしかない。どうかどうか一緒にいてくれと、その他にはなにも言うことはない。なんにも望むことなんてないのだ。ファミレスが道の先でこうこうと明るく、あそこには壁山も少林寺もいるのだから。そうしてすてきな四人組はいつまでもいつまでも仲良しなのでした。めでたしめでたし。




すてきな四人組
18話に寄せて。栗松の「ヤンス」口調は先輩への敬語と捉えてふつうの口調。
宍戸が抜けてさびしかった。だけど宍戸は心配させまいと振る舞いそうな気がします。
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放課後の楽しみはカバンを置いてジャージに着替えてひたすら長距離をはしることで今日も帰ったら着替えを洗濯機のそばにまとめて置いてかしゃかしゃした素材のジャージの上下に着替えて腕時計をはめて家を出る腕時計にはストップウォッチ機能はついていないのでディジタルの数字がちょうど00になったときに走り出すのだがこれがけっこう得意で00になる瞬間にくっとからだを前に倒して走り出すことができるマンションの敷地のまわりをぐるりとおおまわりして近くの公園を二周と半分してから河川敷をまっすぐはしってグラウンドをこれもおおまわりして折り返しそのままおなじコースでマンションに帰るとちょうど二時間くらいになるだいたい自分の時速から考えると十四キロか十五キロくらいだと思うのだが日によってそれが遠く感じたりやたら近く感じたりするのではっきりしたことはわからない今度マネージャーに七キロのタイムを計ってもらっておなじ速さで走ってみようと思っているのだがどうにもそれを頼みこむことができないでいるスニーカーのかかとの部分には緩和材がはいっていてこの部分に体重をかけるとくっと沈むのでその感触が気に入っているが走っている以上すり減るのは足の前半分ばかりだもくもくと走っているといぬを散歩させているひとと必ずすれちがうがそのときだけすこし走るスピードがあがるのでかっこわるいと思う走っているとだんだん感覚がとおくとおくなっていって指先やつま先ばかりが研ぎ澄まされていくような奇妙な感覚になっていく風にひるがえる髪の毛の先にまで神経がゆきわたるような一種の恍惚感にアドレナリンがどばどば出まくっていることを感じるああ生きているいきているそのリズムで足を地面におろしている走ることはすきだなんだかものすごく自分と向き合っている気がするからすきだちらりと腕時計を見ると走り出してまだ三十分しかたっていないのですこしスピードがはやすぎたかなとゆっくり速度をおとしていくこのままの速度だとグラウンドをまわるころにはのどがかわいてしかたがなくなるのでそこらへんのさじかげんが大切だうつむいて走っているとときどき女に間違われる(髪が長いからだ)だけど手袋もつけないし携帯を持って走ったりもしないし他の人にまったく興味もないので落ちている手袋を拾ってやるようなことは絶対しないときどき声をかけてくるような人もいるけどそういう人も無視してがんがん走る世の中にテレビの中のようなことはそうそう起こったりはしないのだそれに女だったらまだしも俺は男だしやさしくもなんともないから余計そんなことはしない人とかかわることなんて正直やりかたもわからないしめんどうくさいだけど走っているとそんな風に自分がどんどん見えてくるのでおもしろいと思うだけどこうでもしないと自分を見ることさえできない毎日まいにち走っていると話すとまわりはだいたい驚くしそれを努力みたいなものとはき違えたりもするけど俺にはこうすることしかできないから走っているもっと別のことで補うことができるのならそうしたいとは思うが他のものなんて今の自分には見つけられそうもないので走ることしかできないだんだんのどのおくのほうがぎゅうとしまってこの感覚が気持ちよかったりするあと一時間もう少し速度をあげてみてもいい走っていると生きているいきているとからだがいうので俺はきっと走っている冬の夕方がいたいくらい晴れているので明日もきっと晴れるし明日も走る生きているいきているとからだがいうのでだけど俺にはなにも見えてこないしなにも見つからない生きているということしか今の俺はしらないああはらがへったのどがかわいたかあさん今日の夕飯なに。





冬の夕方はいたいくらい晴れ
影野。読みにくいです。
公営の図書館には、ひらべったいディスプレイの中をさかながおよぐ仕掛けの二次元水槽(どう呼ぶのかはわからない)があって、その下にあおく着色された水時計が設置されている。
油だかなんだか、水ととけあわないくせに水に似せられたそれは、ころころとしたちいさなつぶになってすべりおち、歯車をぬけ、一番したにうすくたまっては、また落ちるべく吸い上げられる。
それを見ていると時間をわすれてしまうので、半田はなるべくそっちを見ないようにする。せっかくの日曜日、わざわざ着替えて出てきたのにドタキャンはないだろうと、半田はもう三十回くらいあたまの中で殴ったふたりの顔を、もう一回ずつ殴る。ぼこぼこだ。
水槽と水時計からはなれた席で、半田はひたすらマンガを読んでいる。意外とマンガの種類が豊富で、しかしそれは全くの歯ぬけだったので、半田はスラムダンクを三冊と幽遊白書を五冊とブラックジャックを二冊読んで、読書に飽きた。まっしろい机のはしに、ハートマークでぐるっとかこまれた名前がふたつあって、それが明らかに男と女のものだったので、半田は親指のはらでそれをこすって消した。くろく引きのばされた筋がついて、きたなかった。
本を返して、結局二次元水槽のさかなをながめた。三歩ほどはなれた場所にあぐらをかく。邪魔だろうなとは思ったが、半田には今はこわいものなどなかった。うすべったいディスプレイの中で、ひらひらとくるくるとさかなが泳いでいる。あぐらをかいた目線の高さにはちょうど水時計があって、こちらもせわしなく落ちたりまわったりのぼったりしている。あざやかすぎるあおがかえって毒々しい。
フットボールフロンティアのことでも考えるべきなのかとも思ったが、やはりそれはうまくいかず、なんであいつらドタキャンしたんだと、しかたのないことばかりがあたまをめぐる。サッカーのことでもなんでも、別のものがすべり込んできてほしいと思った。宍戸でも呼びつけて愚痴ってやろうかなとカバンから携帯を取りだした半田のとなりに、あぐらをかいた半田の背丈とおなじくらいの、ちいさなこどもが立った。
仕掛けがおもしろいらしく、まるい目も口もぱかんとひらいて、じっと水槽と水時計を見ている。そのあまりにも真剣なまなざしに、半田はすこしのまれた。ああ自分もこんな風にこれを見ていたのかあほくさいと立ち上がり、水槽に軽くひとつ拳をくれた。あっ、とこどもが声をあげる。振り返りもせずに半田は図書館を出て、宍戸を呼びつけるべく電話帳からその名前を呼び出す。
なるべくさっきのことを考えないようにして、だけどあのこどもと同調したような気がした。あのこどもの目が半田のそれになって、ひたすらあおく着色された水時計を見ている。目の前には歯車をころがるちいさなつぶつぶではなく、ひっそりと底にたまったあおが広がっている。空や海より毒々しいあおを、半田もしかしあのこどものように見ていた。
こどもの目は半田の目になって、それを、吸い上げられてころがってまわって落ちるまで、ただだまって見つめていた。
七回目のコールでようやく出た宍戸に、駅前のマックに今すぐこいとだけ告げて、そのまままっすぐ家に向かう。だけど宍戸はそんな些細なことでは絶対怒らないだろうと、あたまの中でドタキャンした二人をぼこぼこにしながら半田も同じことをする。目の奥で歯車がくるくるしていて、そのあおは涙に似ていてきもちわるかった。







おちる時間
半田。わりとやんちゃな子のような気がする。
FFT妄想。ジョブとアビリティのみでお送りします。

円堂→ナイト 戦技/ガッツ/キャッチ/防御力UP/Move+1
服装的には見習い剣士の方が似合うと思いますが。キャッチで投げられたアイテムを逃さない。あとはひたすらエールさけぶエールさけぶを繰り返し、チームの士気をガンガン上げていきます。
あんまり動かないだろうし足スキルに迷いましたが、よく考えたら技持ってるじゃん。ということでMove+1。

風丸→忍者 投げる/アイテム/瀕死クイック/攻撃力UP/Move+2
すばやい動きでアイテムを投げまくり、手が空いたときにはアイテムで味方もサポート。瀕死になったらすばやさにさらに磨きがかかる風丸仕様。そして移動範囲も広いと言うことなし。
リアクションアビリティに白刃取りをつけたら完璧。しかし村雨をブン投げてチームに危機も招きます。

豪炎寺→侍 引き出す/戦技/装備武器ガード/メンテナンス/Move+2
がっつり前衛。実質チームの壁のようなものです。メンテナンスで相手からのブレイクを防ぎつつ、引き出すで回復やサポートもできる完璧キャラ。装備武器ガードはなんとなく豪炎寺っぽいので。
Move+2でかなり広範囲のサポートができますが、一番の敵は風丸に村雨を投げられること。

染岡→竜騎士 ジャンプ/戦技/カウンター/攻撃力UP/高低差無視
重装備が可能なので、こちらもがっつり前衛。壁にもなれるけど豪炎寺よりさらに攻撃力特化。カウンターで逆転の一発も狙える使いやすいキャラだけど、高低差無視でサポートが受けられない可能性も。
ジャンプで空を飛んでいる間に、他のキャラに敵を倒されてむなしく着地する姿がやけに似合います。

半田→アイテム士 アイテム/基本技/オートポーション/銃装備可能/アイテム発見移動
ばりばりのサポートキャラ。アイテム特化型汎用キャラクター。しかし銃装備可能で石化銃を持っているので、高いところにのぼって相手を無差別に打ちまくるスナイパーとしても使えます。
ベルベニア活火山が彼の最高の見せ場。一番高いあの場所からマテリアブレイドを拾った瞬間、彼はチームのヒーローになります。(死の宣告かかるけど)

マックス→シーフ 盗む/ジャンプ/見切る/密漁/Move+2
器用なマックスは相手からギルだろうが経験値だろうが、盗んで盗んで盗みまくります。足がつきそうになったら、ジャンプで上空に回避。密漁でチームの経済状況も助ける義賊的な感じです。
足が速いのでサポートにも回れるけれど、アイテムは使えないので見てるだけ。主に土門との黒い取引で大活躍なので、第一線ではちょっと控えめ。

影野→陰陽士 陰陽術/召還魔法/白羽取り/消費MP半減/水面移動
こちらは完全な後衛。陰陽術で敵を足止めして、ゴーレムの防御とモーグリやフェアリーで回復もこなします。だけどクポーくるくるぴゅーって言うのはちょっと恥ずかしい。そんなお年頃。
白羽取りは影がうすくて攻撃が当たらないってだけです。というか、まず敵から狙われない。あと影野が水面に立ってたらこわいですよね。素で。

土門→話術士 話術/アイテム/耳指ガード/まじゅう語/Move+1
アメリカナイズなしゃべり口で、人間敵ユニットもモンスターも味方に引き込むナイスガイ。アイテムでサポートもこなすけど、本領は銃。グレイシャルガンが火を噴くぜ。
そうして味方に引き入れた魔物を、マックスが密漁で狩りまくるという黒い取引が行われています。味方の財政は潤い、魔物は涙の犠牲になります。

目金→時魔道士 時魔法/算術/MPすり替え/ショートチャージ/浮遊移動
アビリティでガチガチに身をかためているので、意外と打たれづよく仕上がっています。算術を使いこなしたらこの上ない強い味方だけど、いかんせん本人にやる気がないのでフワフワしてます。
ショートチャージ+メテオというものすごい一発も持っているのに、おそらく使われることはない。それが目金クオリティ。

壁山→風水士 風水術/基本技/警戒/重装備可能/Move+1
風水術を使うテクニシャン。重装備可能で盾が装備できないという弱点をカバーしているので、豪炎寺、染岡とともに壁になれます。ダメージ半減の警戒も持つので打たれづよく安心。
しかし風水術はわりと使いどころが難しいので、攻撃力の高さを生かして剣でザクザク斬っていくキャラになりそうです。

少林寺→モンク 拳術/アイテム/ハメドる/精神統一/Move+3
攻守のバランスがおそろしくよいキャラ。すばやく広範囲をサポートでき、さらに回復、バッドステータス解除、蘇生までこなす上に、ハメドるで敵の攻撃まで封じる万能キャラ。攻撃力も高い。
しかし防御は紙に等しいので、ヒットアンドアウェイ戦法でちくちく削るいやらしいキャラになりそうです。素手での攻撃力はチーム一。

栗松→白魔道士 白魔法/黒魔法/リジェネーター/魔法攻撃力UP/MP回復移動
いやしの杖と天使の指輪を装備させたら、最高に燃費のいい後衛キャラの一丁上がりです。やられることがまずないので、強い攻撃魔法と回復魔法をバカバカ撃ちまくる砲台役として大活躍。
しかしこちらもかなり打たれ弱いため、影野の後ろあたりでごにょごにょしてればいいと思います。一緒に影がうすくなって狙われないオマケ効果つき。

宍戸→弓使い チャージ/アイテム/矢かわし/銃装備可能/Jump+2
こちらもかなり使えるサポートキャラ。半田と同じく高い位置にのぼってからが真骨頂。山なりのアーチを描く弓とブレイズガンを使い分けて敵を殲滅していく、人呼んでゴルゴ13。
矢かわしで敵の攻撃も当たらないし、アイテムも使えるので、完全な一人上手キャラになりがち。岩山の上でひとりがんばる宍戸を想像して全俺が泣いた。


という感じで。正直これならアルテマもフルボッコできそうです。
真冬の朝の通学路は限りなくしろに近いはいいろにくもっていて、ゆきかうたくさんの子どもの群れから立ちのぼる息だけが、生気をおびてなまなましくしろい。
たったひとり黙々と影野はあるく。それは本当にただあるいているだけなのだが、ひとによってはひどく陰鬱に、つらそうにみえるらしく、悩みがあったらいつでも聞くとかなんとか、影野のもっともきらう脳筋教師ばかりがそんなかたちだけのなぐさめをする。悩みならある。だけどそれを言葉にするのもめんどうだし、口にだしたとたんにそれはみごとなうそにばけるだろうから影野はなにも言わない。なにも言わずに黙々とあるく。
歩道とのあいだをきえかけた一本のしろい線のみでわかたれた二車線の道路を影野は毎朝かよう。もっと安全でべんりな通学路がほかにあるし、影野の家からはそう大差のあるものではないが、学校へかようにはとおまわりと言えなくもないので、大半の生徒はこの道をとおらない。来年の春からはこの道は完全に通学路からはずされるらしい。事故多発、の立てカンがながいこと設置された交差点を、いちにちに二度影野はかならずとおる。
影野があるくすぐわきを、巨大なタイヤのトラックが腹のそこにひびく音をたててはしってゆく。その反対側、つまり歩道側には、かまえはぱっとしないが大盛況の動物病院がある。駐車場にとまったしろいムーヴから、ちゃいろとあおのかごにいれられた、ねこだかいぬだかを抱えた女がおりてきた。影野は生きものがすきではないのでこの病院もあまりすきではないのだが、まだわかいその女は、どこかうつろな目でちらりと一度影野を見た。絶望、のふた文字が影野の脳裏をかすめる。女はじつにそのふた文字が似合う顔をしていた。あわただしく病院へきえていく女を影野はなんでもないようにながめた。
生きものはあまりすきではないが、巨大なタイヤのトラックは影野はきらいではない。むしろもし万が一、寿命や病気のほかで命をおとしてしまうようなことがあるなら、このような巨大なタイヤにまきこまれてそれをおとしたい、と思う。そうしたら事故多発の立てカンはあたらしいものにかわるかもしれないし、春をまたずに学校の地図の、この道にあたる部分はあかいラインでぬりつぶされるだろう。
来年の春からも影野はこの道をかよう。半期にいちど提出をもとめられる通学路調査に、影野は毎回うそを書いてだす。だったら万が一あの巨大なタイヤにまきこまれてしまうことがあれば、むしろ責められるのは自分なのだろうかと影野は思った。虚偽の申告というのは、社会ではゆるされないことらしいが、だったら自分がしたことはなにに当たるのだろうと影野は考える。悩みおおき思春期の少年の、管理教育にたいするささやかな反抗とでもとらえられるのだろうか。それならそれでかまわないとも思う。口にだしたとたんに自分の感情なんかはまるきりうそにばけるのだ。たとえなんと言われようと、本当のことでなければなにもかもおなじことでしかない。
あつい雲のむこうで、朝日がねぼけたきんいろの円盤になっている。たちどまってそれをしばらくながめていると、動物病院からさっきのわかい女がでてきた。かごを腕にとおして、手にはしろいタオルでくるまれたなにかを抱いている。どうやらないているらしいその女の手のなかのタオルから、だらりと力なくふさふさしたしっぽがたれ下がっている。
女はまた影野を見た。やはりうつろなその目は、今はまっかに充血していた。マスカラがながれてひどい顔をしていた。呆然とたちつくす女の腕に抱かれたなにかに、触れるべきなのかそうでないのか影野は一瞬まよい、結局なにもせずにたちさった。ねぼけたきんいろの円盤はとうに雲におおわれてしまい、巨大なタイヤのトラックはもう見ることさえかなわない。
もしあの感触に似たようなものにめぐりあい、それに触れることができたなら。影野は思う。もしかしたらうそではない本当のことを口にだすことができるのかもしれない。しかしそれを求めるには影野は無力すぎて、こわがるものがあまりにもおおいしかなしみのなんたるかすら、まだしらない。
事故多発の立てカンのある交差点で巨大なタイヤにまきこまれたなら、あの女のようなうつろな目で見おくってほしい。それがかなうならそのほかにはなにもいらないと影野は思う。そうしたら次は生きものがすきでたまらないようにうまれてきて、あの女の手に抱かれたなにかに、やさしくやさしく触れてみせる。
そんなことを考えている間に学校についてしまった。校門には朝からやけにげんきな脳筋教師が、腹にひびくあいさつの声をはり上げてたっている。だけど自分はとうぶんあのタイヤにまきこまれるようなことはしないつもりだし、だったら生きものだってしばらくはすきにならない。だからまだあの感触にかわるなにかをずっとさがすのだろうし、だとすると自分のうそぶくことはこれからもうそのままだ。ざまあみろ。影野はあたまを下げるだけのあいさつを返し、なんだ朝からげんきないなと脳筋教師にわらわれる。そのうしろにはねぼけたきんいろの円盤がうかんでいて、見るまにねこの目にかわるそれが、にゃあとまたたく。





猫目はつふゆのくもりをたちわってきみにひかれむあの交差点
影野。
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