ヒヨル 忍者ブログ
女性向け11文章ブログ。無印初期メン多め。 はじめての方は「はじめまして」に目を通してください。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

空きスペースになんやかんや。

PR
ショーコチャンとの出会いは住宅街の中のちいさな公園だった。すべりだいの下にうつぶせに倒れているショーコチャンを見たとき、おれはおおいに驚いて、えっなんでなんで?なにやってんの?とあたまの中を疑問だらけにした。無視しようかとも思ったけれど、ほっとくと後味がわるそうだったので、どうかおれがやったと思われませんように、と周りを不自然なくらいにきょろきょろ見ながらそおっとショーコチャンに近づいて、声をかけた。ショーコチャンは雷門中の制服を着て、オレンジ色の靴下をはいていた。たっぷりしたつやつやのボブの、毛先だけが外側にほんのちょっと跳ねている。ショーコチャンはすべりだいの上から落ちて痛くて悔しかったからそのまま寝ていたのデスヨ!とわけのわからないことを言って、だけどけがをしてるみたいだったから家までおぶってあげた。うひゃぁぁこんな親切な殿方に出会えるなんてー!とじたばた暴れるのでへんなひとだなぁと思った。ショーコチャンはとてもへんなひとだ。
次の日にわざわざショーコチャンは教室までお礼に来てくれて、そのときに携帯のアドレスを交換した。けがは全然平気みたいでぴんぴんしていたから、お礼なんていいよーと言ったけれど、それじゃあわたしの気が済まないので!さあ!さあ!とごり押ししてきたよくわからない戦隊モノの武器的なおもちゃを勢いに押されて受け取った。ぼたんを押すと光って鳴る。目金さんが喜びそうだと思った。ではまた放課後に!ショーコチャンは高笑いを上げながら行ってしまった。また放課後に?なんとなくいやな予感がして部活が終わったあとにひとりでこっそり裏門から出たら、予想どおりというか予想外れというか、ショーコチャンはそこにいた。遅いぞ!指さされておれはちょっとびびる。ショーコチャンは手作りっぽいへんな仮面?紙で作ったやつをつけて道のまん中で堂々とポーズをとっていた。
ショーコチャンはおれを見て、とおっ、とむやみに掛け声なんかかけながら走ってくる。壁くんにも作ってきたからあげるね、とショーコチャンは自分が着けているのとおんなじ仮面を鞄から出した。折り目がついてへたっている、その額には2、とでかでかと書かれている。打倒ヤッターマンとかなんとか言いながら、ショーコチャンは仮面をはずしてにっとわらった。八重歯がおおきい。壁くんと一緒なら宇宙だって救えちゃうねっ!おれは目をまるくして、なんとも言えない気持ちがこみ上げてくるに任せてわらった。わるい気はしない。ショーコチャンのハリケーンみたいな勢いに一方的にめしゃくしゃに巻かれて、それでも全然わるい気はしなかった。パトロールは一緒にやるもんだぞ2号、とショーコチャンが言うので、おれはその日もショーコチャンをうちまで送った。
知ってるよーと音無がハエ叩き片手に蚊を追いながら言う。ツツさんでしょ。ツツ?ジャンプを読んでいた宍戸が顔をあげる。壁山、ツツのこと知ってんの。うんと頷くとふたりは顔を見合わせた。なんか。な。意外すぎて。そんなに意外かなと問いかける壁山に、ふたりは揃って首を縦に振る。まさか壁山がな。あのひとちょっと変わってるから。ショーコチャンは自分のことをショーコ隊員と呼ぶので、壁山はなんとなく彼女をショーコチャンと呼ぶようになったのだが、それに名字がつくといきなり彼女の存在がうそっぽくなることに壁山は驚いた。ツツショーコ。へんな名前。
ショーコチャンはその日もこっそり壁山を待っていたので一緒に帰った。両膝をはでにすりむいている。どうしたの?転びましたのです!いたくない?ヒーローは強いから平気なのだ!八重歯を見せてわらうショーコチャンをじっと見て、そのすり傷だらけの手を壁山はそっと取る。痛いような思いで。どえええ2号!?なっ、なに。どうしてショーコ隊員の気持ちがわかったのだ!?ショーコチャンは目のあたりをあかくしながらそう言った。壁山はまばたきをする。わからないっす、ショーコ隊員。ショーコチャンがのけぞった拍子に手があごに当たって痛かった。公園で手と膝を洗ってやると、ショーコチャンはまたすべりだいに登る。あぶないよ。あぶなくないでござるぞ。またけがするって。壁山の言葉にショーコチャンはにっとわらい、ひと息にすべりだいから飛び下りた。鳥みたいに。
ショーコチャンが変わったのは二年の夏休みのあとからだった。髪の毛を染めて化粧をして、学校に来たり、来なくなったり、遅刻したり、来てもすぐいなくなったり、するようになった。ちょっと前まで壁山に彼女ができたと騒いでいた同輩たちは、そのあまりにも劇的な変貌に口をつぐみ、いっそ哀れむかのように壁山を窺ったりしたが、その代わり壁山はなにも変わらなかった。壁山がいるところにショーコチャンはいて、それは例えば合同授業とか、体育の見学とか、そういう、些細な時間だけだったにも関わらず、必ずその些細な時間を見逃さず、ショーコチャンは壁山を見ていた。夕焼けがひどくあかかった日、壁山は校門でよその学校の生徒に呼び止められ、これショーコに渡しといて、と言われるがままに通学かばんを受け取った。根元がくろくなりかけた金髪の、不健康に痩せた、鶏がらみたいな男子生徒。壁山はだまってそれを受け取り、そのとたん、男子生徒のからだがぐらっと揺れた。ショーコチャンが後ろから彼を蹴飛ばしたのだ。
化粧をしたきらきらの金髪のショーコチャンは男子生徒の胸ぐらをつかんで道に突っ放した。ヒーローとは思えない言葉で口汚く彼を罵った。目のあたりをあかくして。息を切らし、そして壁山を見て、泣き笑いのような顔をした。ショーコチャン。壁くん。がさがさに荒れた声。ショーコ隊員には、すきなひとがいたのですよ。壁山はなにも言わずに、そのちいさな手にかばんをそっと手渡した。ショーコチャンは夕焼けみたいに鮮やかなオレンジ色の靴下をはいている。ショーコ。鶏がらの男子生徒が立ち上がる。行こうぜ。あんなに怒鳴られていたのに、彼はちっとも怒ってないみたいだった。ショーコチャンは彼を見て、そして彼に引っ張られるようにして行ってしまった。何度もつまづいて、転びそうになりながら。
壁山はひどくやるせない気持ちに、痛いような気持ちになりながら、ふたりが見えなくなるまでそこに立っていた。せめてショーコチャンの前では、なにも知らないしわからないふりをしていたかった。ショーコチャンは両膝におおきな絆創膏を貼りつけていた。もう、あの日のすべりだいみたいに、壁山が受け止めてあげることはできない。手作りの仮面のヒーローだったショーコチャンは、今は違う仮面で戦っている。壁山のしらない場所で。ショーコチャン。ショーコチャン。ぼくにもすきなひとがいたのですよ。ショーコチャン。さよおなら「笑子ちゃん」









ショーコチャンとぼく
津々笑子。モデルはマミーズと某おともだち。オリキャラ失礼しました。
日本人少年ジャージで海外のこじゃれた町並みを集団徘徊するの巻。
網戸にした窓から虫の声がする。はっと目を覚ますと陽は昇りきっていて、いつも部屋の隅に置いてある通学用かばんがなくなっていた。ああまた忘れられた、と思う。朝、目覚まし代わりの自分はそのまま忘れられることが多い。。今日もかなりしつこく起こしたけれどなかなか起きなくて、それは昨日遅くまで2ちゃんねるとかブログを見ていたからだ。腹が減ったなと思ったけれど、充電ケーブルはベッドの下にすべり落ちてしまっていた。腹が立つ。ベッドにつくねんと腰かけて、足をぶらぶらさせながら、はやくあいつ帰ってくればいいのに、と彼は思った。彼は携帯電話で、彼の持ち主はサッカーをしている中学生。通話料とパケット通信定額プラン、学生割引と家族割引にに加入している、扱いも丁寧でトイレや水溜まりに落としたりしない、いたって模範的な持ち主だ。
彼はまばたきをする。もうすぐ12時。あと7分くらい。内蔵の時計は20秒ずれているがほぼ正確だ。そろそろお昼かーと思った。そして、そろそろ気づく頃だ。彼の持ち主は校内ではそう携帯を使わないし、彼も電源を落とされてかばんの中で眠っているばかりだけれど、ときどきサッカー部からの連絡網が届くことがある。でも今日はそんなに困りはしないだろうな、と彼は思う。本日晴天。降水確率10パーセント未満。部活が突然休みになることもないだろうし、万が一なにかあっても、確かおなじクラスに友達がいたはずだ。きっと教えてくれるだろう。そんなことを考えながら彼はベッドにきちんと正座した。持っていってくれるひとがいないと、自分で移動することもままならない。遠くからどこかのチャイムの音がする。正午。ご主人はごはんをたべているだろうか。おれもなにかたべたい。
そのとき突然部屋の扉が開き、彼はびくっとからだをこわばらせた。あ、携帯ちゃん。今日はお留守番?あっお母さん!持ち主の母親は掃除機を持って部屋に入ってくる。ちょっと待っててねーと言いながら母親はあっという間に部屋を掃除してしまい、再度掃除機を下げて部屋を出ていく。あれっと思ったが母親はすぐに引き返してきて、携帯ちゃんごはんたべる?と訊ねた。たべる!間髪入れずに答える彼ににっこりし、母親は彼の手を取って部屋から連れ出してくれた。あの子また忘れたの。今日起こすの大変だったよ。遅刻ギリギリじゃなかった?そうなの。遅くまでなにしてたの。それは内緒。またネットでもしてたんでしょ。言いながらテーブルに着かされる。今日はおそうめんね。最近暑いので、母親のお昼はこればかりだ。台所でつゆを作っている母親の隣に、母親の携帯が所在なく立っていた。彼女は機能重視のスタイリッシュなもので、見た目ができる女風なので彼はちょっと萎縮する。
そうめんにはひき肉となすの炒めものが乗っていた。経口摂取したものは充電に変わる。三人で食卓を囲むことなんかはじめてだったので、彼はなんだかむやみに緊張していた。おいしいわ。彼女が言う。あらそう、あなたがいて助かったわね。どうやらレシピブログあたりを見ながら作ったらしい。携帯ちゃん、おなす大丈夫?うん、おいしい、です。敬語になったのは彼女がじっとこっちを見ていたからだ。さらさらのながい髪をした彼女。彼とは真逆の。電話です。静かに彼女がそう言ったとたん、彼女の姿はふっとかき消えた。あとには無機質な着信音をこぼす、機能重視のスタイリッシュな携帯が、ひとつ。母親が彼女を手に取ると、彼女が使っていたはしが高い音を立てて転げた。自分がする分には構わないが、これを見ると、いつも、胸のあたりがいやな気持ちになる。彼はくちびるをへの字に曲げた。携帯が携帯に戻るのは、当たり前で、仕方のないことなのに。
そうめんをたべ終わると、玄関のあたりがにわかに騒がしくなる。ただいまぁ。彼はぱっと入り口を振り向いた。リビングに入ってきた持ち主を、通話中の母親が手の仕草だけで労う。持ち主はそれを見て、そして彼に視線を投げた。あーごめんごめん。今日忘れてった。つかなんでここにいるの?うわぁぁぁおかえりぃぃぃ!!さびしかったぁぁぁ!!彼は手を伸ばして持ち主にぎゅうぎゅうと抱きつく。持ち主は暑苦しそうにからだをよじった。今日早いね。今日からテスト期間だから早いの。着替えちゃいなさいと母親が通話をしながら小声で言うのにはあいと返事をして、持ち主は彼の手を引いて部屋に戻る。メールきてる?メルマガだけ。あそう。彼はたちまちうきうきと楽しくなって、ベッドにばたんと倒れてもしばらく足をばたつかせていた。
持ち主は落ちていたケーブルを拾って彼に手渡す。あっおれ今日おかあさんとそうめんたべたんだ。だから平気。えー?と持ち主は変な顔をした。メールとか見せてない?見せてないよー。あっメルマガ見る?見る?言うなり彼は携帯の姿に戻る。持ち主は彼を手に取り、ベッドに腰かける。そのときを見計らって、彼は人間になった。うわっ。上半身をすっかり抱えこまれて持ち主はベッドに沈む。彼は両手でぎゅうぎゅうと持ち主を抱く。彼のいちばんいとしいひとを抱く。ねえ。なに。おれって携帯でさ、でもそれって仕方ないことって思う?なに急に。おれ、メールしたり電話したりするの楽しいけどさ、それってたぶん、おまえが。そこまで言って、彼は唐突に言葉を切る。がくんと腕が重くなり、視界がくらくまたたき意識が遠ざかっていく。あ、じゅ、でん、き、れ。て。
彼は後悔している。もう少したべればよかった。充電が切れると彼は死ぬ。彼を生き返らせてくれるのは、何度も何度でも生き返らせてくれるのは、彼の持ち主のやさしさだけだ。彼はそれを信じるしかない。きみはどこ。どこにいるの。おれにはきみしか。目を開いても闇。開いても闇。開いても闇。彼を追うものはなにもない。
(おまえが、おれを、使ってくれるから)
闇を歩けない、彼は携帯。









愛は手に、瞳は闇へ
りんぐでぃんどんな感じ。

前回の放送分の感想がなぜかうpできてなかったので雑記。
3発売ですね!皆さんはもうプレイされてますか??
わたくしももちもちプレイいたしております。やー動く選手バインダーにビックリしました。技とかすごくたくさん増えてていいですね。おもしろいです。
3期キャラにはいまひとつピンと来ていないので、引き続き壁山とか栗松とか女子とかとイチャイチャしてます。今回また女子がたくさん増えているようでとっても嬉しいですよ!!かわいい子を片っ端からハンティングしています。来る女子拒まず去る男子追わず、のスタンスでやっております。
なかまになりたそうにこちらをみている女子は基本的に迎え入れ、男子は無視するというおにちくプレイ真っ最中。ガチャも同じく。でも冷泉さんとグレイと中谷はなんとなく仲間にしてしまいました。グレイとアメリカのサングラスの彼はよく似てると思う。
また超次元男女カプ妄想でニヤニヤしっぱなしです。ていうかケータイ連動のせいでサルくんが・・・サルくんが・・・。今のところ仲間にできてるのがげんおうしかいないので、サルくんお持ちの方はリアルに交換してくださいまじでお願いします。
SJもまだクリアしてないのでがんばるー。
あと次回イベントは不参加です。参加される皆さま楽しんでいらしてくださいね!一年生本あったら教えてください!むしろ出される方はご連絡ください定価の三倍出します真顔真顔。
 

拍手もありがとうございます!コメント返すタイミングが失われて久しい!ほんとすみません。
通販の予定はないです。申し訳ありません。
拍手のみの方もありがとうございますー!元気いただいてますモリモリ。
[12]  [13]  [14]  [15]  [16]  [17]  [18]  [19]  [20]  [21]  [22
カレンダー
09 2024/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
プロフィール
HN:
まづ
性別:
非公開
自己紹介:
無印雷門4番と一年生がすき。マイナー愛。

adolf_hitlar!hotmail.com

フリーエリア
アクセス解析

忍者ブログ [PR]