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女性向け11文章ブログ。無印初期メン多め。 はじめての方は「はじめまして」に目を通してください。
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夏コミ真っ只中ですが、みなさん頑張っておいでですか??
ここ最近悲惨なくらい暑いので、倒れないようにお気をつけください。
あと一日!燃え尽きてくださいね。


ちょっと延びてしまいましたが、予告通りここでリクエスト締め切らせていただきます。
たくさんのリクエスト、本当にありがとうございました!
頑張って書かせていただきますので、どうぞ気長にお待ちください。
ちなみに現在の時点で、個人的に申し付けくださったものも含めまして七本承っております。自分でもびっくりの数字です。
皆さんがくださるお題がすごくおもしろくて、視界が広がるような気がします。
一年生や影野関連のリクエストが多くてニヤニヤしました。もちろん、その他のリクエストもすごく嬉しかったです!個人的に塔子のリクエストいただけたことに感動しました。
書いたものは、リクエストしてくださったご本人さまに限りまして、お持ち帰り自由とさせていただきます。その際に一言添えていただければありがたいです。報告、リンクの必要はありません。

覚え書きとして、頂いたリクエスト一覧。
・円堂と塔子
・染岡と宍戸
・影野と一年生、部活の話をしている
・土門×(+)影野、かわいい感じ
・影野と土門、影野の首筋について
・円堂と影野
・土門と松野
・影野と少林寺、合宿やろうぜ
・影野、スワンカローク窯後日談
・染岡と影野
・染岡と土門と影野
・目金もしくは松野

八月いっぱいで仕上がるかなぁ。
でも楽しいお題ばかりなのでwktk!



先日某さんに「染影はもう書かないの?」と言われたので、リクエストが全部終わりましたら改めてなんか書きます!一応完結してるとはいえ、すきな二人には違いないのです。それからそのとき言っていただいた「まづさんちはみんな病んでるよね」という言葉が非常に嬉しかったことをお伝えさせてください!
あとその場で熱く語ってしまったのですが、みなさん一年生でなんかやろうよ・・・!書いたり描いたりしましょうよ・・・!っていうか、毎回わたしは同じ主張を繰り返しているような気がします。空気読めなくてしかも飢えすぎててすみません。笑
神さまのような方たちが一年生及び影野の燃料を投下してくださったので、しばらくがんばれます。みなさんの描く壁山かわいすぎますよ!(栗松も宍戸も少林寺もかわいかったです)やりましょうよ一年生!あとマネージャー影野にすごくもえました。青春おでんに混ざっても違和感ないかわいさでした。神さまありがとうございます!
そんでもうちょっとがんばったらびーこさんに会えるよー!楽しみ!何する!?お台場ガンダムの前で石破ラブラブ天驚拳ごっこする!?キディランド→池袋アニメイト→石破ラブラブ天驚拳、のルートはどうかな。そもそもシリーズが違うっていうね。そんでびーこさんの性別転換シリーズはお蔵入りにするの??歩子ちゃんや鉄子ちゃんがまじでかわいかったのです。あと塔男とリカ男のイケメンぶりときたら。竜子ちゃんの坊主&カマ口調にさえ目をつぶればみんな嫁。


拍手、コメント、メルフォたくさんありがとうございます!
すごく嬉しいです!サイレント拍手も大歓迎です。
これからも頑張ります。
続きに返信。
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きれいな首。しずまり返った部室で、土門はぼそりと呟いた。ん、と近くで着替えていた影野がそっと近づいてきて土門の手元をのぞきこむ。図書室から持ってきたフルカラービジュアルの動物図鑑(禁帯出、のシールが背表紙に貼られている)。そのうちのあるページを開いて、土門は影野にそれを示す。すんなりとながい首をしたタンチョウヅルが優雅に水辺にたたずむ冬の写真。棒きれのようなほそい脚が、華奢なからだをしっかりと支えている。まっしろい雪原の中、どこかさびしい目をした鶴はまるで水墨画みたいにくっきりとうつくしい。きれいな写真。影野はぽつりと言った。うん、と土門はページをめくる。羽根を広げた二羽が向かい合う横顔が、ひそやかな静寂とつめたい冬とともに閉じこめられている。きれいな写真。影野はみじかく繰り返す。生き物があまりすきでない影野の、それは精いっぱいの言葉なのだろうと土門は思う。
そばでじっと写真を眺めている影野のながい髪の毛が、土門の手にやわらかく落ちかかる。土門は横目でそっと影野の様子を伺った。抜けるようにしろいひふの喉が、視線の先でしずかに呼吸をしている。きれいな首。土門もぽつりとささやいた。影野はじっくりとそのページを眺め(たくさんの写真に申し訳程度に添えられた説明書きや、そこにうつる鶴の種類。ぽわぽわの毛の雛の横には「生後二週間」としか書かれていないような、そっけないそれらを含めて)、その顔のかすかな動きを土門は横目で眺める。おもしろいね、とさしておもしろくもなさそうな口調で呟いてから、これどうしたの、と影野は尋ねる。教室にあったから持ってきた。土門の言葉に影野は息をこぼすようにわらい、だめじゃん、と言った。
ページをめくるとそこにはフラミンゴの写真があった。あれ。同時に拍子抜けたように言い、土門が説明書きに顔を寄せる。ベニヅル。だって。へえ。影野は感嘆したように、指先でフラミンゴの写真を撫でた。たぶん、意味もなく。仲間なんだ。だな。似てない。でもほら、首が。フラミンゴの派手なサーモンピンクのほそい首を、次は土門の指がなぞった。ながくて、きれい。影野はゆっくり息をする。ほんとだ。きれいだね。影野の髪の毛が落ちてくるさまは、急須からあたたかなお茶がほとほとと湯飲みに落ちるようだった。穏やかでやさしく、それでいて触れられないほどせつない。土門はそうっと手をあげる。髪の毛を持ち上げるようにして、そしてその手を影野のうなじにそろりとすべりこませた。
影野はなにも言わなかったので、先に口を開いたのは土門だった。きれいな首。しろくなめらかなひふをした、鶴のような影野の首。うなじに触れる指先には確かにゆるやかな鼓動と体温を伝えてくるのに、触れたとたんに後悔させるそのかたくなさに土門は驚く。ずっと前に童話で、鶴ときつねのスープのはなしを読んだ。土門は視線を影野の首に注いだまま、噛みしめるように言葉をつむいだ。鶴に平たい皿でスープを出したきつねは、次の日に花瓶みたいな入れ物に入ったスープで仕返しをされるという筋の、ありきたりな童話だった。どっちもかなしくて。土門はちいさく息を吸う。あんまりすきなはなしじゃなかったよ。影野は黙ってそれを聞いたあと、じゃあそのふたりは一緒にスープを飲む必要がなかったのかな、とひとりごとのように言った。どっちもひとりなら、一番よかったのかな。土門は言葉につまる。言葉につまって、ゆっくりと影野の首筋に額を押しつけた。
どっちもひとりなら。土門はひくくささやく。こんな風にはならなかったか。影野はすこし考えるように黙ったが、結局わからないと言った。おれは動物がきらいだし、考えたって無意味だ。そう、と土門はわらう。だったらそれが正解だ、と思った。膝の上の図鑑に切り取られて押し込められた無数の静寂のように、今この瞬間だって閉じこめて切り取ってしまっておきたいと土門は思う。いつかどうにもならないときに、取り出して確かめるために。目の前のことを無意味だと、いつでも思い出せるように。影野の首はしろくてすんなりとしている。ひとりをえらんださびしい鶴。うなじに触れた指先がぬくもっていく。それなのにそこは得体の知れない感情に、我慢できないほどにがたがたと震えていた。







鶴のスープ
土門と影野。
リクエストありがとうございました!あんまり首筋について語っていなくてすみません。

ダッシュアクセル>ダーリン

リクエスト一件承っています!
ありがとうございます。
それを上げたら締め切ろうと思っていますので、まだあるよーという方はそれまでに遠慮なくお申し付けください。匿名様大歓迎です。
毎回おもしろいお題ばかり頂けて光栄です。ありがとうございます。


続きに拍手返信。
 

ちいさい頃の話をして、と土門が言い出したのは、住宅街のまん中にある小ぢんまりとした公園の脇を通ったときだった。塗装の真新しいぺかぺかのジャングルジムに、動物の絵のついたシーソー。ばねがついてぐよぐよ揺れるあんぱんまんの形の乗り物。忘れ物のばけつがひとつ、砂場に転がっている。昼間はさぞたくさんの子どもが遊んだのだろう、あまくくたびれた静かな公園。土門は影野をおいて、さっさと車止めをまたいでしまっていた。仕方なく影野も公園に足を踏み入れる。ひゃーとか、ちっちぇーとか、やけに楽しそうにあちこち見回している土門の背中を見ながら、足下のれんが花壇に視線を落とした。歯抜けのあかいサルビアがたくさん植わっている。土に刺すプラスチックの柵が歪んでいたのでそっと戻し、顔をあげると土門がぶらんこをこいでいた。影野は苦笑する。
立ちこぎで快調にびゅうびゅう飛ばしている土門を見ながら、そういえば土門はアメリカ育ちだったなと今さらのように影野は思い出す。おれががきの頃はね。まるで影野の心を読んだように土門は言った。わりとでかい日本人学校に通ってて、そこにはオウムがいたんだ。しゃべるオウム、と尋ねると、もーちろん、と土門は快活に答える。よくしゃべるやつでね、おれはそいつがすきだったんだ。放課後とか休みのときは、秋たちとずっとサッカーしてた。あっちは公園が多いから、場所には全然困らないんだよね。母親が料理するのすきだから、外のめしはあんまりくわなかったな。ジャンクフードは日本のがダンチでうまい。そこまで一気にしゃべって、土門はぶらんこから勢いよくジャンプした。一番高い位置から、ぽーんと。着地のときにちょっとよろけて照れわらいを浮かべ、じゃあ次はじんちゃんのね、と手を払いながら一方的に決めてしまう。
影野はとまどい、しゃべることないよ、と言った。普通だよ、とも。影野はあまり公共の場で遊ぶのがすきな子どもではなかった。もともと引っ込み思案だし、友だちもいなかった。ひとりで家の中で(、あるいは図書室で、図書館で)、本を読んでいるのがすきな子どもだった。そう言うと土門は愉快そうにわらい、じゃあ今サッカーやってるのなんて奇跡なんだ。すげぇじゃん。とあながち冗談でもない風に言う。運動は。そして尋ねる。得意だった。影野はすこし考え、首を振った。苦手。足も遅いし、どんくさかった。ははっと土門はわらう。じゃあ、すきなおやつはなんだった。土門はそう言いながら影野の前を横切り、砂場にしゃがむとばけつを手にとる。ピカチュウの柄がついたあおいばけつを、土門は珍しいものでも見るようにしげしげと眺めた。
影野が考えて答える前に、おれはね、と土門が先に言う。ばけつに熱心に砂を詰めながら。ジンジャークッキーがすごくすきだった。アナズのジンジャークッキー。でっかい透明な瓶に入れてて、それが減ってくるとかなしかった。スウェーデンのクッキーなんだ、と肩越しに土門は振り向き、にっとわらった。まぁこっちでも手に入るんだけどね。うまいの。もー最高にうまい。生クリームをつけて食べたら他になんもいらないよ。ばけつのふちまではちはちに砂を詰め、それを崩さないようにひっくり返しながら土門は懐かしそうに言った。家に帰るといっつも母親がいて、おれはサッカーのこととか学校のこととかしゃべりながらクッキーをくう。アメリカには楽しいことしかなかった。ほんとだよ。その口調が驚くほどやさしくて、影野はすこしだけ後悔する。
ひっくり返したばけつを、じゃーん、と引き抜いて(砂場にはばけつの形の砂がそのまま残った)、でもおれは日本に帰ってよかったと土門は続けた。前みたいにはいかないけど、でも、日本にも楽しいことはたくさんあるし、それに気づいたからおれは戻らなくてもいつでもアメリカにいられるんだ。さびしいことなんてなんにもない。あおいばけつを砂山の傍らに置き、土門は両手をわき腹のあたりにこすりつけながら立ち上がった。ゆっくりと振り向いて、にこりとわらう。おれにはじんちゃんがいるから、いいんだ。影野は言葉につまり、視線を土門の胸元に落とした。影野がちいさい頃、世界は得体の知れない恐ろしい場所だった。楽しいことなんかどこにもない、つめたく尖った未知の世界。誰もいない家の中で、嵐のようにじっとやりすごすのが一番正しいのだと思っていた。ひとりで。ひとりきりで。
おかえり。思わず影野は口走る。土門が目をまるくした。すり減ったヒールを玄関で脱ぎながら、くたくたの母親がいつもそう言ってくれたことを思い出す。そういえば自分はこの瞬間がなによりすきだった。土門にとってのアナズジンジャークッキー。おかえり、土門。土門はなきわらいみたいな顔をした。ただいま、じん。そのとき土門のジャージのポケットからブルーハーツが流れ始めた。うわ、家からだ。土門は急いで携帯を取り出し、そして顔をあげ、にやっとわらう。日本にはいい音楽がいっぱいあるね。おれ、日本で一番最初にブルーハーツのCD買ったよ。影野はそっとわらった。もうここはぼくらの帰る場所。甲本ヒロトが声を張り上げている。夜が今口を開けて、ぼくたちを飲み込んでいく。二丁拳銃すべりこむ。チュルルルル。







二丁拳銃すべりこむ
影野と土門。
リクエストありがとうございました。土門がアメリカ少年なのをときどき忘れそうになります。
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無印雷門4番と一年生がすき。マイナー愛。

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