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女性向け11文章ブログ。無印初期メン多め。 はじめての方は「はじめまして」に目を通してください。
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皆様ご健勝でおいででしょうか。
先日の地震、こちらには被害はございませんでしたが、一時更新を停止しています。
被害に合われた方、一刻も早い復旧・回復をお祈りいたしております。

先日のリクエスト、遅くなりましたが締め切らせていただきます。
あと一件上げます。
コメント等くださった皆様、ありがとうございました。
全てありがたく読ませていただいております。毎度毎度お返事返せずにすみません。
真3プレイヤーさま頑張ってください!わたくし現在アマラエンドを驀進中でございます。
ユルングたんはおれの嫁。

はじめましてのページにオフライン情報を申し訳程度に追加いたしました。
イベント参加ーとなりましたらちまちま更新いたします。

現在はちょっと閉じ込められて推理して論破するゲームに浮気などしていますが
先日のイナズマで1期メンを見た瞬間に涙出そうになったので、まだまだあちらが本命の模様です。
しょうりんかわいいよしょうりん。
なもんで、当分1期中心でモリモリ書いていきたいなと思っています。

リンクのご報告等もありがとうございます。
ほぼ全くお返事、ご訪問できていない状態で申し訳ありません。

という近況報告でした。
ついったにはよく現れるので、よろしければそちらもご覧ください。(大変あたまわるいです)


それでは。
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あんまりにも家に帰りたくなくて、部室のベンチに寝っころんでいい加減ガタのきたパイプ椅子を脚でゆっくり揺らしているところに、たまたま忘れ物とかで戻ってきたのを捕まえてゲーセンに行ってカラオケに行って補導されそうになったのを逃げ帰ってから、松野は宍戸とときどき遊ぶようになった。ときどきというのは本当にときどきで、遊ぶといってもどこかに出かけたりなんかは面倒だし貧乏だしで絶対にしない。気が向いたら部室でふたりで居残ってなにもせずにダレているか、ごくたまに意味もなく言葉を交わしたり、それ以外のものも、本当にまれに、交わしてみたりする。松野の指はいつも発熱していて宍戸の指は冷たい。温度差はそのままふたりの差になり、いくら時間を重ねても埋まりはしなかった。それよりも先にそれでも構わないとだらけきってしまったからかもしれない。おなじ場所でする足踏みが土を削るように、おなじ場所でくつろいだまま、松野はときどき宍戸の時間を無為に喰い荒らす。
ごくたまに宍戸と交わす言葉とは別のものは、松野の心臓の真裏の深い場所にゆっくりと溜まって松野を奇妙に健やかに強くする。折れた骨の太くうつくしく繋がるような、その奇妙な高揚をそれでも松野は疎んじた。そういうんじゃないと思うんだけど。ベンチに仰向けに寝っころんで椅子をゆっくりと揺らしながら松野は思う。あーと宍戸は携帯を見ながら呻き、もう帰らないと、と言った。もうちっと。宍戸は無言で携帯を学ランのぽけっとにすべり落とす。宍戸の手首はしろくて骨みたいで、それが網膜でなん十回もおなじ動作を繰り返す。なー。松野は首を動かす。さっちゃん今なんかほしいものある。やー別に。宍戸は両手の爪を見ながらそっけなく答えた。十指に並ぶ噛みちぎられたみじかい爪。なんかゆえよ。ねえって。あんだろ普通なんか。おれ無欲なんすわ。松野はチッと舌打ちをする。嘘でも宍戸はそういうことを言うのでたまらない、と思った。松野も宍戸もいつだって嘘ばかりついている。
しかし確かに嘘でも宍戸はそういうことを言うし、松野はたとえ嘘でも自分を無欲だとは思えない。いくら宍戸と交わすものが松野を健やかに強くしたとしても、松野はなにかもっと違うもので埋めるしかない動物だ。一度無理やり宍戸の前髪をつかんでその奥を覗いてみようとしたが、宍戸は普段の彼からは思いもよらないほど猛然と抵抗した。宍戸の赤毛が松野の指にたくさん絡まり、たぶんそこからだった。もっと違うものがほしいと思ったのは。宍戸に望まれてみたいと思った。無理だとわかっていても。さわんな。宍戸はぞっとするほど冷たい声で言い、松野はその言葉と同時に宍戸の腹を蹴飛ばした。宍戸には望むものはなくても、守るものはあるらしい。そのことを、あのときの松野はもしかしたら喜んだかもしれない。恨んだり憎んだりしたかもしれない。そんなことがあったのはその一度きりで、それからはなにもしなくなった。言葉を交わし言葉の他のものを交わし、それで満たされようとした。健やかに強くなる松野は、やはり嘘をついた。
さっちゃん死にてーって思ったことある。松野の言葉に宍戸は無感情に、あるよ、と言った。じゃーそれな、おれがくれるわ。松野は胸の上で手を組む。今度の誕生日。いらねー。宍戸はちょっとわらった。冷たい指のみじかい爪を立てても、宍戸には守らなければならないものがあるという。代わりにさっちゃんおれになんかくれ。斬新なカツアゲだなぁ。宍戸はまたちょっとわらって、いいよ、と言う。くーさんはなにがほしいの。おれはね。おれは、と言いかけて松野は口をつぐんだ。おまえと死ねるならいいよ、と、答えたくて、答えようと思って、それでもあふれ返ったものがのどをふさいだ。宍戸は松野になにもしてくれない。なにもさせてくれない。本当は声高に叫びたかった。愛してくれと。愛してくれと。松野はにっとわらって、さっちゃんと一緒に死んでみたいわ、と言った。宍戸は平然と、じゃあそれで、と答える。ばかみたいだ。松野はわらう。嘘ばかりついて。松野は宍戸には嘘なんてつけないのに。
宍戸と言葉や言葉の他のものを交わしていられるなら、松野は健やかにも強くもなれなくてよかった。だらけきった距離に立ち止まり、空ばかり見て、嘘ばかりついて、それでよかった。どうせふたりにはそれしかなかったのだ。満たされようとして、ひたすらに壁を積み上げて、そのくせふと振り返って、それなのにふと振り返らないと見つけることもできないふたりの距離には。










成子坂天ノ川溺死ーズ
松野と宍戸。
リクエストありがとうございました!新感覚なふたりにすごくドキドキしながら書かせていただきました。
痩せた腰を蹴飛ばしてやると驚くくらいに遠くへ飛んで、襟首を掴んで引き起こして殴ったときの手の感触が、思った以上に軽かったので。罪悪感もそれくらいに軽いような思い込みをわざとそのままにしながら、鬱憤を募らせるたびに染岡の手は擦りむけて宍戸は傷ついた。鬱陶しいわけでもなければ自己主張もしない棒きれのような宍戸は、染岡に無言で見つめられるとやはり無言で立ち上がって、部室からできるだけ離れた体育館裏へ移動をする。最初の二回は染岡が引きずっていった。その次からは自分の足でそこへゆく。抜けるようなしろい宍戸の膝の裏。脳に膜の巻きついたようなもどかしさを言葉にできない染岡にできることは、その痩せた背中を追いかけて思いきり蹴飛ばすことだけだった。いつも。棒きれの宍戸は声もあげずに鬱憤を呑み、その鼻血が地面にまるく鮮やかに広がる。そして染岡は穏やかに満たされた。朝焼けの模倣のような卑猥な夕焼けの滴るその下で。
円堂は後輩がわりとすきなので、ときどき染岡に小言じみたことを垂れたりもする。しかしそう言う円堂も少林寺をこれみよがしに打ったり蹴ったりするので、結局はどこまで行ってもおなじ穴のなんとやらだ。円堂に足りないものは世の中のすべてだったし染岡に足りないものは言葉にはできないものだったわけで、そのくせ同病相憐れむでもなくひたすら険悪であったのは怖かったからだ。あの中にしっくりとなじんでしまうことを、染岡はなにより怖れていた。有象無象に埋もれて息もできない恐怖は、体育館の裏に宍戸と一緒に置き去りにする。その痩せたからだを蹴って蹴って蹴りまくって、快楽を垂れ流す甘美な瞬間。棒きれの宍戸。弱者を踏みにじる圧倒的な優越。円堂はわらわないが染岡はわらう。穏やかに満たされる、そのための犠牲だと。卑猥な夕焼けの滴る放課後は性交にも似ていた。泣きもわめきもしない宍戸は、
(それでも)
いたいよぉ。か細いうめき声に染岡はびくりと背中を震わせた。いつもの放課後は掻き消え、夕焼けは炎上した。肩越しにそっと振り向く。横たわる宍戸。そのからだがゆっくりと動く。いたいよぉ。すすり泣くように小さく低く呻きながら、宍戸はゆるりとからだを起こした。だらしなくへたりこんだまま呆けたように仰向く宍戸の横顔。砂だらけのユニフォームと腫れて歪んだ頬。ゆうひのような宍戸の髪。いたい。宍戸は一度息を吸って、思い出したようにぽつりと呟いた。宍戸。染岡はからからに干からびた喉でささやく。宍戸は染岡を見なかった。腫れて歪んだ頬にのろのろと触れる、宍戸の指先と唇の端があかい。宍戸はまたゆっくりと首を動かし、いたいよ、と言った。細い指が地面をがりりと掻く。擦りむけた腕をかばうように押さえ、宍戸はのろりと立ち上がった。支えてやらなければ。思いとは裏腹に染岡は指すらも動かせず、宍戸が無言で打ちのめされていくのを眺めていることしかできなかった。
やがて宍戸は吊られたようにぎこちなく立ち上がる。あああ。生命と呼吸を確かめるように、宍戸は卑猥な夕焼けを仰いで声をこぼした。手のひらをじっと見る。擦りむけた、痩せた、薄っぺらな、宍戸の手のひら。ああ。次の声は落胆に聞こえた。染岡の鼓動が速くなる。宍戸は顔を上げる。ゆうひのような宍戸の横顔。その横顔はほほえんだ。切れた唇と腫れた頬とゆうひのような髪の毛の奥の砂浜みたいなカルシウムの怒濤と鉄と水の草原を踏み越えたまだ奥の奥の奥の奥の。目がくらむ。手を伸ばす。手を伸ばす。手を伸ばす。どうか届かないでくれと、どうか握り返さないでくれと願いながら。
(それでも)「それでも」
染岡は宍戸がわらうと苦しくなる。宍戸が、泣いたり、わめいたり、怒ったり、怯えたり、しないことが、苦しい。宍戸がたったひとりで泳ぎきった沈黙と砂浜カルシウムの怒濤と鉄と水の草原と六角稚魚と四十八億を、染岡は一歩たりともゆくことができない。そちらにゆければ。ゆければ。宍戸はもう静かに横になって眠っていてくれるだろうか。宍戸は染岡の横を通りすぎる。それでも明日にはまたおなじことを繰り返し、宍戸は傷ついて、染岡は満たされる。だから、染岡はは見ないふりをする。ただ、宍戸へのすべてを、宍戸が塗りつぶすのを待っている。

『十力の金剛石はきょうも来ず』
明日は雨だ。









しあわせになろう
染岡と宍戸。
リクエストありがとうございました!染岡さんはどうしても楽になれないイメージです。
本日はありがとうございました!
まさかの雪という悪天候の中でしたが、愛に溢れたとっても素敵なイベントでした!
わたくしどものサークルに足を運んでくださった方、本やぬり絵をお手に取ってくださった方、お菓子その他をお持ちくださった方、感謝してもしきれません!本当に本当にありがとうございました!
持っていった本もかなりの部数がさばけました。一年生本がやけに人気でなんだか嬉しかったです。ぬり絵は完売!びーこさん渾身のイラストなのでお持ちくださった方はぜひぬりぬりしてあげてください。
今回も見目麗しいコスプレイヤーさんたちにたくさんお会いできてしあわせでございました。わざわざスペースに立ち寄って本やぬり絵を持っていってくださったイケメンな影野さん、目金くん&レイナのコズミックかわいいコンビ、風丸さんと宮坂くんの美形陸上部コンビ、などなど、まことにありがとうございました!すごく嬉しかったです!
また、ツイッター等で仲よくしていただいてる方ともおはなしさせていただきまして、実り多い時間を過ごさせていただきました。これはしあわせすぎて大変やばいかもしれませんね。
フロスピ2、とっても雰囲気がよくて、明るく楽しいイベントでございました。次回の開催にも大いに期待しています。準備不足、至らぬ点多々あったかと思いますが、皆さまのやさしさをたくさん頂きまして、わたくしどもテッカテカです。キラッキラのテッカテカです。
次回イベントに早くもびーこさんが意欲を燃やしておりますので、もしかしたらまた何かしらのイベントに参加させていただくかもしれません。笑
その際はまたこっそりご報告させていただきます。
本日は本当にありがとうございました。

イベントも一段落つきましたので、今からリクエストをゴリゴリ書かせていただきます!
まだまだ募集承っておりますので、お気軽にお申し付けくださいませ。
早速ですが二周年リクエストありがとうございます。宍戸がやけに人気でニヤニヤしています。
拍手のお返事ともども気長にお待ちいただければと思います。
まだまだリクエスト募集させていただいております。なにかありましたら遠慮なくお申し付けください。

2月11日のフロンティアスピリッツ2につきまして。
スペースナンバーはス28、「浮舟寿司」での参加となります。当日はかつおかつお!のびーこさんと一緒にいます。
新刊は
・「サヨナララストサンセット」(染岡と影野/無料)
・「物の怪は世を儚み」(宍戸/無料)
・「スタア☆ニシキノ」(短編集/無料)
以上の三種類を持っていきます。他には過去に出しました
・「そらのいろしか見えぬ」(影野/100円)
・「勝手にしやがれ」(一年生未来パラレル/無料)
を持っていく予定です。
いずれも20部前後と部数が少なめになっております。申し訳ありません。
お取り置きも承ります。拍手かメルフォ、ツイッター等でお気軽にお声かけください。
他にはかつおかつお!びーこさん描き下ろしのぬり絵が6種類あります。いずれも無料配布ですのでガンガンお持ちください!かわいいですよ!
あとはそめルーちゃんとふぶルーちゃん、ノセダム先輩が看板猫看板MSとしていらしてくれる予定になってます。写真は禁止のようですが、ぜひ生で見てください!

こんなところでしょうか。
では当日よろしくお願いいたします。
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無印雷門4番と一年生がすき。マイナー愛。

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